「小松内科医院」満一歳の記      目次に戻る


 平成七年十月二日、三戸郡階上町で「小松内科医院」が産声を上げましてから、お蔭様で無事に満一年になろうとしております。この間当院をご利用くださる方々も次第に多くなり、地域の人々の健康に多少なりともお役に立ち始めたのではないかと思われます。これもひとえに諸先生方のご支援ご厚情の賜と深く感謝いたしております。
 折角の投稿の機会ですので、当院の自己紹介をさせて戴きます。
 当院は国道四十五号線沿い階上町役場向いに立地いたします関係から患者さんは多くが階上町内の方々で、次に岩手県種市町、残り一部が八戸市の方々となっております。階上町内の方々のうち、高齢の方々は、階上町が「南部バス」に委託して走らせている患者送迎バスにのって往復の通院をされ、比較的若い方々はマイカーで来られます。赤ちゃんの予防接種のために来られる若いお母さん方はほとんどが運転免許証をお持ちのようです。種市町、八戸市の方々はマイカーあるいは一部が「市営」と「南部」の路線バスをご利用されています。患者さんの年齢構成は、およそ三分の一が小児、三分の一が中高年、三分の一が高齢者となっております。
 疾患別では、小児は「かぜ」と「お腹」がほとんどで、中高年の方は職場の検診あるいは階上町委託集団検診の受診後のフォローが多く、高齢の方々は一つあるいは二つ以上の成人病のために来院されます。当院では病棟を持たないため、診療に限界があります。
 当院の人員構成は、院長である私、事務長である家内、三人の准看護婦と三人の事務員からなっており、うち一人が薬局に廻ります。
 診療科目として、内科、消化器科、循環器科、理学療法科を掲げておりますが、浅くとも出来るだけ広く何でも診療出来ることが望まれているようです。
 現在当院の業務を列挙してみますと、日常の診療のほかに、階上町から委託されている各種の予防接種、出稼ぎ者検診、山手の五つの小学校の学校医、学校教職員の検診、近隣の中小の企業の職場検診、生命保険嘱託医、町内駅伝大会参加者の健康診断というものまであります。定期的な往診(「在総診」の手続きをまだ取っておりませんので)が始まっているのが二人あり、広い階上町の端から端まで、スバル・レガシーを購入して走り始めております。
 主な診断設備としては、X線透視台、心・腹部兼用エコー、電子内視鏡、ホルター解析付心電計などです。当院での特徴的な出来事は、漁業従事者が多いせいか、内視鏡にて胃アニサキスを摘除することが有意に(?)多いことです。エコーにて胆石症を、ホルター心電計にて不整脈等を、X線透視台にて小児の肺炎を発見して、公的三病院へご紹介申し上げることがしばしばでした。
 階上町には国保診療所(小林先生が所長を退任され、九月二日から阿部先生が着任されたばかりです。)、橋本医院および当院の三つの医療機関があり、近くには、美保野病院、湊病院、八戸平和病院があり、当院からもしばしばお世話になっております

 思い付くまま、当院の現況をお話し申し上げましたが、今後とも地域医療の一翼を担うべく努力してまいりたいと思いますので、倍旧のご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。
 末筆ながら皆様の更なるご発展をご祈念申し上げます。
 近くへおいでの折にはお立ち寄りいただければ光栄に存じます。

    八戸地区弘前大学医学部同窓会誌「はちのへ」 第28号 掲載


 目次に戻る






   

                                                         setstats

1 1